ざまあみろ!
「宇宙よりも遠い場所」いかがでしたでしょうか?「南極に行く」という目的だけは一緒の4人が互いに認め合い、協力し合い、時に喧嘩し成長していく姿は、心に響いたのではないでしょうか。
サイト制作者が特に印象に残っているシーンは、まずめぐっちゃんとの絶交のシーンです。大切なものは失っって初めて気づくと言われますが、まさにめぐっちゃんはこのような境遇に置かれていたのだと思います。
世話してきたと思っていたキマリに、実は自分が支えられていて、遠ざかってしまうキマリを無意識に引き止めようとしてしまいます。
キマリに依存してしまっている自分を変えるために絶交を申し出ますが、キマリにとってめぐっちゃんはなにより大切な親友であり、それはめぐっちゃんにとっても同じことだったのでしょう。
絶交は無効になり、この一連の出来事を通して2人はより理解し合うことができたというシーンはとても印象的でした。
次に印象的だと思ったシーンは「船に乗る」シーンですね。経験したことのない荒波で船酔いに苦しめられる4人。トイレと寝室を往復するばかりの船旅は困難を極めていましたが、結月の「ちょっと外行ってみたいですね」という言葉で4人は荒波の立つ外へ出ます。
荒れる海を前に、これから南極に行くのだと五感を通して改めて認識し、この貴重な体験を4人で分かち合います。このシーンはとにかく演出が光っており、扉を開けるのと同時に始まる挿入歌は、輝く4人の青春と、南極という未知の土地への期待を感じさせました。
最後に紹介するシーンは、やはり報瀬が母に送信したメールを開くシーンですね。心の底ではきっとわかっていて、言葉の上でも母の死は知っていたけれど、どこかまだ帰りを待っている自分がいて、きっとメールもそのような気持ちで送っていたのだと思います。
しかし、母のパソコンには未読のままの自分のメールが表示されていき、ここで報瀬は初めて本当の意味で母の死を認識しました。このシーンは演者さんの演技とアニメの素晴らしい演出によって、涙なしには見れないシーンでした。
報瀬が目標としてきた母の死を認識するということは、彼女の夢も終わってしまうということであり、南極に辿り着くまでにしてきた努力が報われなかったことを意味します。報瀬は悔しさと悲しさで涙を流し、きっと旅立つ前の彼女では立ち直れなかったと思います。
でも、通じ合える友達と出会い、多くの経験をし、成長してきた報瀬は、また一歩前に踏み出し始めました。
本作品はアニメの中に多くの伏線があり、何度観ても面白いので、ぜひまた試聴してみてください。